奈良県・生駒の行政書士事務所「すみれ行政書士法務事務所」の行政書士宇
戸谷と申します。ブログをご覧いただきありがとうございます。
以前から検討されていた介護福祉士試験のパート合格について、来年度
(2025年度)の試験から正式に導入されることが9月11日に発表されました。
本ブログではそちらの詳細についてお知らせいたします。

パート合格とは何でしょうか?
まず、現在13科目ある試験科目が大きく3つの科目(パート)に統合されま
す。これまでの制度であれば、初めて受ける試験で3つ全てのパートに合格でき
なかった場合、前回の試験で合格していたパートについても受験が必要でした

しかしパート合格制度の導入によって、次回以降の試験では不合格部分のパ
ートのみ受験・合格を目指せばいいという形になります。
合格パートの免除期間は、合格から2年間となります。パート数は3つである
ため、3年間で1パートずつ合格していって資格取得を目指す、ということも可
能です。
 国としては、パート合格の導入によって働きながらの資格取得のハードル
を下げることを目指しているようです。試験制度の改正が、人材確保に繋がる
ことや、試験へのハードルが特に高い外国人介護従事者の一助になることが期
待されます。

一方で、取得がこれまでと比べて容易になることから、介護福祉士の社会的
価値や信頼度の下落すること、一体的かつ広範な勉強が不要になることから、
専門性や能力の低下を懸念する声も生じています。
また資格取得だけを推進したとしても、そちらに伴う給与向上等の付加価値
がなければ、必ずしも人材確保には繋がらないという尤もな指摘もあります。
 
介護福祉士のパート合格制度が、介護業界での人手不足問題の解決にどこま
で寄与できるかは未知数と言わざるを得ませんが、導入される来年度からまず
は3年間の推移について、我々も注視していこうと思います。